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セカイ通信 LA篇 | Vol.2

DTLA (Downtown Los Angeles)

   Text : Oko Sakata

DTLAってどんなところ?
日本でいうと、丸の内。
美術館やコンサートホール等もあるけど、中心は市庁舎や裁判所等の都市機能が集約されたオフィス街、その他にはこれといって何も無い、サンタモニカから17マイル=27キロも東に行ったところ。
夜は人気もなくなり、ちょっと行くと寂れた倉庫街でホームレスがウロウロといった状態。だから夜は絶対に出歩かないでね…。
10年程前なら間違いなくこう答えていました。

ところが今年の初めには雑誌「GQ」にてAmerica’s Next Great Cityに選ばれ、アメリカで今一番クールなダウンタウンと讃えられたのです。

あれれ??と思いますよね。
そう、実はこの10年で例を見ない程、急激に変化したのです。
その変貌ぶりは、街の開発ラッシュを見れば一目瞭然。

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DTLAといっても実は広く、いくつもの個性的なエリア(District)から構成されています。
オフィス街の他にコンベンションセンターや高層ホテルのあるSouth Park、リトル東京やToy District, Arts District, Fashion District, Jewelry District, Flower Districtといった問屋街や倉庫街、そして工場街。Made in DTLAを掲げるAmerican Apparelの工場もここにあります。

このDTLAの変貌のきっかけは倉庫街のArts Districtからでした。
荒廃したこの地区の空き倉庫に不法に住み着いていた貧しいアーティストに対し、市がその使用を許可したことから、廃墟と化した倉庫街がアーティストの表現の場として変わりだしたのです。
倉庫はロフトとなり、壁一面にはグラフィティが描かれ、広い場所を活かし自由に表現できるこのエリアにはサンタモニカなどのウエストサイドに飽きたアーティストが次々と移り住んできました。)

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その後、Walt Disney Concert HallやStaple Center, L.A. Liveによって、DTLAに大きな人の流れが出来き、活気あふれる街へと生まれ変わったのです。

使用されていなかった古い商業ビルを住居として再利用できることになり、オフィス街や問屋街には、ウエストサイドではお目に掛れないスタイリッシュなロフトが続々と登場。アーティスト以外にもファッション関係や映画業界のクールな人々が住み始めたのです。
そしてこの潮流に引き寄せられるかのようにホテル、ショップ、レストラン、カフェが次々とオープン。

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街は活気づき、当然治安も飛躍的に良くなりました。
これにより、今までのDTLAは働くだけの場所という考えから、DTLAに住む・働く・遊ぶという新しい概念が生まれたのです。

そんなDTLAで行くべき所と言われたら…
流行のレストランは勿論、LA発祥の地オルべラ・ストリート、Rooftop BarでDTLAならではの夜景、寂れた中華街もシュール、車社会のUnion Stationも必見…と、なかなか絞れませんが、今回は変わりゆくDTLAを感じられる場所をご案内いたしましょう。

「Grand Central Market」
317 S Broadway、Los Angeles、CA 90013

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青果店、精肉店や魚屋、そして食べ物屋などがひしめき合っている創業1917年の市場。DTLAで働く庶民の胃袋を満たす所でした。メキシカンやチャイニーズ、アメリカンの食べ物屋さんの味は微妙ですが値段は激安。
ちょっと小汚いイメージでいうとアジアの寂れた市場。サンタモニカなどで開かれているファーマーズマーケットではなくあくまでも “ 市場 ” 。
オーガニックなんてありません。

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ところが、今回2年ぶりに訪れて、その変貌ぶりに度肝を抜かれました。
場内はすっかり綺麗になり、半数以上がお洒落な食べ物屋さんになって、人々で溢れかえっているではありませんか。

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再開発の波はここまでしっかり届いていたのです。

青果店や魚屋は以前のまま健在でしたが、精肉店はオーガニックをウリにするお洒落なお肉屋さん「Belcampo」に。

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ハンバーガーを提供するイートインコーナーを併設して、いいお値段にもかかわらず、大賑わいでした。
ブッチャーもイケメン

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人気フードトラックの「eggslut」はここに出店。

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名物の卵料理はちょっとしたブームで、場内でも一番の人気店。長蛇の列は途切れることありませんでした。

他にもチョコレート屋、ジュース屋、チーズ専門店などいろんな店がオープンしていましたが、昔からのお店も頑張っていました。

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改装後、お手頃な市場値段ではなくなったにもかかわらず、ランチタイムを過ぎても大勢の人だかり、綺麗になったテーブルスペースは常に満席、なかなか食事にありつけない状態でした。

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余りの混雑に、駐車場を含めると随分な昼食代よね!とボヤいている人もいました。
というのもDTLAはLAの中でも飛びぬけて駐車場代が高く、こちらも15分2ドルと日本並み。
再開発でますます値上がりしそうな予感…。

再開発を目の当たりにした後は、目と鼻の先のケーブルカーに。

マーケットからでて道を挟んだ向かいにある「Angels Flight Railway」
351 S Hill St  Los Angeles, CA 90013

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料金は片道50セント。
そびえ立つオフィスビルのふもとにポツンとある1901年に出来た世界一短いケーブルカー。
急な斜面を上り、その上のオフィスビルまで運んでくれますが、残念ながら現在はちょっと問題があって運休中。

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再開発によって早く解決し、運行を再開することを願うばかりです。

続々とオープンする話題の店の中で、お気に入りはここ。
「The Last Book Store」
453 S Spring St, Los Angeles, CA 90013

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オフィスビルの銀行だった部分を改築した巨大古本屋さんです。
1階にはソファが点在し、何時間でものんびりする人も。
2階にはギャラリーコーナーもあります。

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見どころは本を使用して作られたオブジェの数々。
本棚で作られた空間はまるで迷路というか、まるで本のテーマパークのような不思議な空間。

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迫りくる本の数に「ここでは人間より本が偉い!」そんな錯覚に陥ります。
これだけ広いと目的の本を探すのにさぞかし苦労が…と思いそうですが、意外にも仕分けはきちんとされていて見易い。
扱われている本の状態も良く、運命的な本との出会いも期待できそうです。

問屋街のFashion Districtでは、アパレルのショールームが月に1度一般にも開放してサンプルセールをやります。人気のChan LuuやTheolyなども参加。サンプルがお手頃な値段で手に入るとあって、毎回大人気。
小型スーツケースを引きながら来ているお客さんもよく見かけます。

でも、私がお勧めしたいのはArts Districtの「Arts District Flea」
453 Colyton St Los Angeles, CA 90013

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毎週金曜から日曜のみオープン。
洋服からアクセサリー、キャンドルショップと幅広く、これからのアーティストが様々な作品を展示販売しています。既存の店にはまだないものに出会えるのが魅力です。

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何もない倉庫街にポツンとあり、Arts Districtらしさを体験できるスポットでもあります。

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同じくArts Districtの端に鳴物入りでオープンしたのは、なんとスーパーマーケット。
「Urban radish」
660 Mateo St Los Angeles, CA 90021

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これだけ人口が増えているにもかかわらず、DTLAにはアメリカ系の「Ralphs」のみしかありませんでした。
それも、2007年に57年ぶりにオープンしたもの。
地価も高くスーパーマーケットが出来るほどのスペースは確保しにくいのがなかなかできない理由だそうです。

こういった状況の中、倉庫を改装してできた待望の店。
農場から直接買い付けている新鮮野菜や果物は勿論、精肉・鮮魚コーナーもあり、ちょっとした生活雑貨まで厳選して取り扱っています。

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全般的に値段は高めですが、食にうるさいDTLAの住人を満足させる品揃え。
充実したワインコーナーに、その場で食事が出来るカフェも併設。

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イベントも開催され、近隣住人のちょっとした社交の場にもなりつつあるそうです。

しかし、忘れてはならないのはここが倉庫街ってこと。

駐車場を出ればこんな景色。

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数ブロック行けば、「SKID ROW」と呼ばれる全米有数のスラム街があるのです。
オフィス街からも車で数分のSKID ROWには、食事や寝場所を提供するMissionと呼ばれる団体が複数あり、昼間からアルコールやドラッグの中毒患者やホームレスが何することなく道端で座り込んでいます。
夜は勿論、昼間でも車で通るのは出来れば避けたい地域。
しかし再開発によって彼らの暮らすこの場所は、お洒落なカフェやレストラン、ロフトに少しずつ浸食されつつあります。そのうち、SKID ROW全体もトレンディなエリアに変わっていくかもしれません。
しかしそれは排除されたホームレスたちの住む場所が変わるだけ。このダークサイドの解決にはならない。なんて、ちょっと考えさせられる一面もあり。

ウエストサイドには無いノスタルジックなオフィスビルや劇場、または寂れた工場を改築した店作り。
そしてそこにいるのは、スタイリッシュなスーツを身に纏ったビジネスマンや個性豊かなファッションの大人たち。
とはいえ、ちょっと行けば取り残されたダークな部分もある。
でも、こういったハードルがあるからこそ、今のDTLAはパワフルで勢いがあるのだと思います。
高層マンションやホテルも続々と建設予定で、この再開発は今後もしばらく続きます。

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光り輝く海に、青い空が広がるウエストサイドもいいけど、今のLAを感じたいなら是非DTLAへ。
かつては映画「アニー・ホール」で”I don’t want to live in a city where the only cultural advantage is that you can make a right turn on a red light.”(赤信号で右折できることだけが文化的な長所だなんていう町には住みたくないね)とまで言われたLAですが、今のDTLAなら、ウッディ・アレンも少しは認めてくれるかもしれませんね。

サカタ オーコ
(Oko Sakata)
パリで生まれ、幼児期を過ごす。それ以降はどっぷりとドメスティックな生活を送っていたのが、4年前にLAで生活することになり、現在に至る。
年に数回、数週間かけてLAから脱出しているので、「今、どこにいる?」ってよく聞かれます。
特技はパッキング。パーソナルトレーナーをつけての肉体改造が今年の目標。

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