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アートに抱かれて泊まる
二期倶楽部

   Text : Yoko Maeda

緑深い那須高原横沢にスモールブティックホテル「二期倶楽部」が誕生したのは1986年のこと。たった6室のメンバーズクラブは、オープン直後から憧れのホテルとして話題となりました。その佇まいは森の中の小さなホテルというにはあまりに存在感が強く、これまでのホテルの概念を覆すものでした。

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創業以来の客室棟を構成するなだらかに広がる瓦屋根、室内を大胆に横断する木地のままの太い赤松の柱。水面に反射する光を抱えるように張り出した深い軒先、熟練の職人が一本一本手で節目を梳いた栃木県産の大谷石が生み出す重厚でありながらも柔らかな質感。この大谷石の壁には、土蔵の外壁などに使われる漆喰の盛り方である海鼠壁(なまこかべ)という伝統的手法も用いられています。伝統的な素材を大胆かつモダンに用いたこの建築は、二期倶楽部と聞いて誰もが最初にイメージする光景です。

石畳の小道から渓流に向かう階段を降りて行くと、空間デザイナー・杉本貴志の設計による新館客室棟が現れます。2010年にリニューアルされた客室は、渓流沿いに広がる陰影に富んだ庭園とより一体化する造り。森と融合した静けさのなか、落ち着いた滞在を約束してくれます。同じく杉本貴志氏がデザインした本館レストラン棟のブロンズの金属壁は、メタルアーティストの畠山耕治氏が担当。設置から数十年を経た今も、その色合いは静かな魅力を湛えています。

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テレンス・コンラン卿が手がけた東館(Niki Club & Spa)の客室は、中央の広場を囲むようにして建てられた24棟の独立したパビリオン。ゲスト同士が広場に集まり交流するという設計は、温泉を囲んで人が集う古くからの日本の湯治場の光景がコンセプトになっています。パビリオンの外壁は、縦組み志向の日本の木造建築とは異なる横組みの木のルーバー。その色合いも年月を重ねて深まり、周囲の景観に溶け込んで一層風情豊かになりました。点在するパビリオンが生み出す森の木々の垂直線と交差する水平線は、この広場一体にモダンな気配を漂わせています。

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ホテルから二會(ふたあい)川を挟む対岸の森の中には、七石(しちせき)舞台「かがみ」があります。四国は香川県の石の里、庵治(あじ)から運ばれてきた七つの巨石と鏡面ステンレスを組み合わせた舞台は、むしろ石の彫刻のようにも思えます。彫刻家イサム・ノグチは石に惹かれ、四国にアトリエを構え数々の作品を生み出しました。そのイサム・ノグチと創作を共にした和泉正敏(いずみまさとし)氏が石師として「かがみ」の設置に参加。構想は日本文化の研究者・松岡正剛(せいごう)氏、建築設計は内藤 廣(ひろし)氏というこの舞台は、二期倶楽部が描くアートコロニー構想の象徴ともいえる存在です。

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二期倶楽部の敷地のなかを歩いていると、こうした表面的な装飾性を排した簡素な美しさと、自然と調和した建物の佇まいのなかに、どこか日本的なものが感じられることに気付きます。二期倶楽部では創業以来、人が自然に寄り添い、四季と共に暮らすなかで育まれてきた日本的な情緒が大切にされてきました。それは建物に限らず、レストランで提供される食事においても同様です。新鮮な地元の食材を出来る限り生かし、走、旬、名残、といった繊細な四季を一皿に映し出す。おいしいのはもちろん、目にも美しい食においても、アートの精神が感じられます。また、館内に飾られている日本の現代工藝作品は、前衛的な外観でありながらも、その根底には長い年月を重ねて受け継がれてきた伝統的な技法が息づいているものばかり。ここには、外形的な日本らしさではなく、日本人の心の根底にある美しい情緒があります。こうした情緒から生み出された施設の佇まいと、洗練された日本的なホスピタリティが、二期倶楽部ならではの魅力です。都会では感じることのできない“日本らしさ”を感じに出かけてみませんか?

二期倶楽部 http://www.nikiclub.jp/

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