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セカイ通信 FIRENZE篇 | Vol.2

職人の街、フィレンツェ

   Text : Noriko Hikichi

2015年もあっという間に数ヶ月が経ってしまいましたが、みなさんいかがお過ごしですか?
こちらフィレンツェでも春が訪れ、そしてこの季節の大敵である花粉がたくさん飛んでいます。
花粉症の方、あと数ヶ月頑張って乗り切りましょう!
イタリアでは3月8日は festa della donna 女性の日で、ミモザのお花を男性が女性にプレゼントします。でも、花粉症の女性は”花粉が。。”と嬉しいながらも、困っている人もいます。

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この日はたくさんの女性がみんなで日本でいう女子会?を開きます。
お子さんがいる方は、みなさんご主人様に子供を預けて外に出かけ、女性で集まり、さすがマンマの国女性が強いイタリア ”やはり私達女性は偉大だわ!” と女性同士誉め称えます。 そのことを男性に確認するものなら ”もちろんだよ、女性なしでは僕たちは生きてはいけない!女性万歳!”と即答でかえってきます。

私は特に日本の女性はとても優秀だと常々思っているので、女性の力をもっと発揮できる様に日本政府、そして企業がもっと女性に対する育児等の支援を行っていただければと思っています。
イタリアでは日本と比べて男性が家事、育児を良く手伝いますし、おじいちゃんおばあちゃんも近所に住んでいる事が多く、困った時は面倒をよく見てくれます。
お母さん達にとっては家族の助けがとても大きいです。でももしそれがなければ、イタリアでも子育てはとても難しいのが現状ですね。

さて、イタリアと日本はいろんな意味で共通点が多いと思います。
両国とも南北に長く、各地での美味しい特産物がたくさんあり、方言があり、人々の性格も違う。
そして、伝統を重んじ、両国とも素晴らしい職人さんがたくさんいます。

先日、毎年フィレンツェで行われるある展示会に行ってきました。こちらでは主に食の多くが取り上げられています。イタリア各地のワイン、オリーブオイル、サラミ類、パスタ、チーズ、ビール、ジュース、お菓子、カフェ。。。
すべて職人さんが昔ながらの製法で丹誠を込めて作られているものがほとんどです。
もちろんそれだけではなく、新製品を続々出している所もあります。
が、それはもちろん質を落とす事はありません。

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みなさんにとって例えば生ハムなどはなじみが深いと思いますが、生ハムは生ハムでもイタリアの各地域ごとに製法も味も少しずつ違います。
ちなみにトスカーナ州の生ハムは他の州と比べ若干塩を多めに使っています。
サラミ類も地域で特徴があり、その州ごとでしか食べれない特有のサラミがあります。
イタリアにお越しの際は、いろいろな州に行くごとにサラミの盛り合わせを注文して、各地域の風土が育てたものを食べ比べてみるのも面白いと思います。

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イタリアでは、各食品ごとに、品質を保証された伝統食品にはD.O.Pのような名称が与えられます。そうすることにより、様々な条件の中、品質と各地での伝統製法が守られているのです。

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職人さん達は、みな自分の仕事に誇りを持っています。
そして質問したときには笑顔で、時には真剣な顔ですべて出し惜しみなく教えてくれます。
おしゃべり好きなイタリア人。聞かれる事が嬉しいというのもあるのですが、しゃべるごとに熱を帯びてきて、1人の人に30分以上、人によっては1時間話し続けるなんてしょっちゅうです。
それ故、他の人はその話が終わるまで待たないといけません。

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そして彼らがどういう思いで、仕事をやっているのかも話してくれます。
みなさん ”次世代に私達が受け継いだこの仕事を残していかなくてはならない” という思いでお仕事をしています。
そういう思いから、家族の絆が強いイタリアは何代にもわたってその仕事を家族が跡を継いで守り続けています。
 ”うちの会社はひいおじいちゃんが起こして、僕で4代目なんだ。この商品もその時と同じレシピで作り続けられているんだよ!” という話を本当によく聞きます。

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しかし現在の様に大量生産で価格が安いものがたくさん出回っている中、腕のいい職人さんとともに伝統を守って、いいものを作り続けるというのはとても大変なことです。

そして、価格の高騰、職人さん達の高齢化、若者の忍耐力の低迷など、様々な理由で、この伝統を維持するのは難しくなっています。
きっと日本でも同じ現象が起きているでしょう。

でも、そこはイタリア!
大変でも働いている人たちは、”僕たちは頑張ってるよ!!”と笑顔を絶やしません。

食の国イタリア。
私達が彼らのおかげで美味しい物が食べられている事に感謝しなければなりませんね。

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今年は5月からミラノで食をテーマにしたEXPOが開催されるという事もあり、みなさんの周りでもいつもより料理の話題が増えるかもしれません。
イタリアトスカーナ州の管轄をされている方は、”僕たちのスペースはあまり大きくはないが、イベントは盛り沢山だよ!”とおっしゃっていました。
日本も広いスペースを確保していると聞きますし、是非日本料理の素晴らしさと美味しさも、世界中のみなさんに知っていただきたいですね。

フィレンツェは職人の街なので、私はたくさんの職人さんと会ってお話をするたびにみなさんの知識と技術とプロ意識に関心し、この伝統が守られていく事を願ってやみません。

そんなイタリア人がイタリアの伝統、品質を守っていくのが難しい中、ここフィレンツェでは、イタリア人から学び独立して職人の世界を守っている日本の人達がいます。

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その一人が宮平康太郎さん、明さん夫妻です。
彼らはオーダーメイドで男性のスーツ、シャツを作っています。
康太郎さんは6年の修行を経て4年前に独立、”CoRCos” を立ち上げ、今は世界中に顧客を抱えフィレンツェの型のスーツを作り続けています。

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彼も言います。時代背景もあると思うけど、今の職人の世界、若い人の忍耐力のなさなどの理由で維持するのはとても難しいだろうと。
イタリア人の若者も修行途中で挫折して辞めていく人が多いそうです。

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彼は ”寂しい気持ちがあるけど、この技術を残したい、そしてイタリアに恩返しをしたい”と語ってくれました。
職人の世界はベースの技術が絶対。そしてそれにプラスその人の感覚がプラスされると、誰もまねの出来ないその人しか出来ない素晴らしい物が出来上がる。
それを目の当たりにしてきた宮平さんは、フィレンツェの型を守りつつ、自分のオリジナルのものをプラスした洋服を作り、はやくも彼のスタイルを確立しています。
それ故、顧客の方も生地選びはするものの、後は90%以上の方はおまかせだそうです。

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彼がマエストロに言われた言葉で私がすごく印象に残ったものがあります。
”流行の先を行くな、でも遅れるな”
職人の世界は、ファッションの流行を追う世界ではありません。
でも、少しずつ進化しないとみんなに受け入れてもらえなくなる。
伝統を守るだけではなく、時代に適正している事。これを現在80歳の方がそう思い、次の世代の人に伝えているという事に、私は感銘を受けました。

職人の世界は技術と人。こういう腕もさることながら、人としても素晴らしい方が職人の世界を支え、次の世代の人に引き継がれているこの世界、職人さんの数が少なくなっているとはいえ知れば知るほどますます目が離せません!

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日本にも各分野でたくさんの素晴らしい職人の方がいらっしゃるでしょう。
正確さ、器用さ、繊細さにとっては日本人の右に出る人はいないと思います。

ですがイタリア人の優れたところはやぱりアーティスト性があること。
型にはめられる事を好まない彼らには、やはり独特の発想の豊かさと感覚の鋭さがあります。
それがMAXに発揮された時、無二の物が出来上がり、顧客は離れられなくなると言います。

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フィレンツェをお散歩されると、小さな工房で職人さんが一心不乱にお仕事をしている姿を至る所で見かける事が出来ると思います。
きっと話しかけたら、気さくに彼らのお仕事のお話を聞けると思いますよ。

今度こちらにお越しの際、そんな職人さんの世界に触れてみてはいかがでしょう?

ヒキチ ノリコ
(Noriko Hikichi)
2001年よりフィレンツェ在住
翌年よりトスカーナ料理のレストラン勤務。将来は日本とイタリアを行き来出来る事を夢見ています。甘いものが大好き。

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