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セカイ通信 ANTWERP篇 | Vol.4

ローマの休日

   Text : Hatsue Mogi

いつの時代も訪れる人を魅了してやまない官能の街ローマ、2500年の歴史の舞台を初めて訪れました。
古代エトルリア時代、ローマ帝国時代、キリスト教不況時代からキリスト教の総本山としての黄金期、イタリア統一からムッソリーの出現と様々な歴史の変換に培われた永遠の都ローマっ子気質とはどんなものなのでしょうか。

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まず、空港から市街地までのタクシー、なぜかホテル真ん前にはつけず、ちょっと前で降ろされました。
道が狭すぎるからと言いながら”fixプライスで60ユーロ”と爽やかに言われ、自然に払いましたが、神風のように去っていくその車体にははっきりと”fix48ユーロ”と書いてありました。
まあ、このぐらいはご愛嬌ですか。

予約したホテルは一応4つ星なのですが、annexということで隣の建物のようです。何やら普通のアパートメントっぽく、ジャラジャラと3本の鍵束を渡され自分で開けていきます。

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やっと入ったお部屋には小さな窓が一つだけ、鉄格子がはまってます。
警戒厳重ですね。

気を取り直して街に出ましょう。
昼下がりの町並み、大きな声でちょっと怒鳴るようなイタリア語が聞こえてきます。
感情を外に出して、言葉の奥に潜んだ微妙な感情などというものはなく、リズミカルで単純明快な。
カラっとした空のブルーと相まって何か楽しくなってきます。
身振り手振りも派手な彼らをみていると、こちらまでラテンのシャワーを浴びているようです。
生まれたままの子供のような元気で憎めない感情の高ぶり、そう、これがスポンタネというもの。いいですね。

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街を歩くと、特に男性が非常におしゃれです。
スーツのジャケットはワンサイズ小さいのではないかと思うように体にぴったりはりつき、ボトムもスキニーな細身、当然それを着こなすためボディも鍛えていらっしゃるみたいでそれを誇らしく思っている様子も決して隠せません。タイや靴、時にはスカーフとの色合も綺麗に決まっています。
特別おしゃれな場所というわけではなくオフィス街の普通のサラリーマンでさえも皆アパレル関係に見えてしまうのです。
これがパリだと”着崩す”と言うもうひとひねりが入るのですが、その辺が素直なイタリア男です。

女性は黒髪のロングヘアにぴったりとしたスキニージーンズ、ボディコンのミニに拷問系のハイヒール姿をよく見ます。失礼ながらその方面の方といううわけではなく、夫が嬉しそうに見ている様子から常にわかりやすくコケットを体現しているだけのことなのでしょう。
男も女も”わかりやすく、もてたいの”と言う声が聞こえてくるようです。

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さて、私がここローマで一番見たかった彫刻がこちらです。
ベルニー二作 聖テレサの法悦 サンタマリア デラ ヴィットリオ 教会

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この彫刻を巡ってはいろいろな議論がされています。
聖テレサはある夜、天使の訪問を受け、その槍で心臓を何度も何度も射抜かれます。精神的、肉体的な痛みを強く感じながらも神の絶対的な愛に包まれ、恍惚となる。まさに宗教的な法悦をいただく瞬間を描いた審美な作品ですが、その神秘体験の表現方法が性的エクスタシーにあまりにも似ているということで、議論を呼び、両者は同じものなのではないかなどと分析されたりしています。
素晴らしく美しく神秘的な作品ですが、こんなエピソードはベルリーニのラテン的な面が色濃く出ていないとは言えないと思うのですが。

観光客でごった返す観光スポットに疲れてオアシスのような緑あふれるボルゲーゼ公園に上がりました。
騎馬憲兵の競技会。お祭りです。

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こういう催し物を見ると、輝くような軍服姿の若者の姿、振る舞いが非常にクラシック、かつバロック的で、美味しい酒に恋にのラテン気質と同時にファシズム的な一面を持つ国民性を強く感じてしまうのは私だけでしょうか。

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警備かポリスかわからないのですがこんな制服もそのムードはたっぷりですね。

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そしてバチカン、システィーナ礼拝堂では常に流動的に前に進むように促され続けます。それをくりかえし注意する声、沈黙を強いる”しーっ”という声、それら全てが威圧的でファシスト的に感じてしまったのです。

ローマっ子は進取な精神もかなりもっているようです。

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ロシアの古いバイクをBMWがコピーリメイクしたもの。かなりレア

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オール電気のエコなトラック。これもかなりレア

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さて、帰国、ホテルからエアポートまで”今度は騙されないぞ~っ”と息巻く私たちを乗せたのは女性ドライバー、曲芸的運転で、高速道路を180kmで器用に他を追い抜いていきます。
“大丈夫よ、お客さん、もう20年もこの仕事やってるんだから!”
予定より早く着いたエアポート。案の定”58ユーロ”というので、ほんとは48ユーロだよね? でも面白かったから50あげる。と言うと、 笑顔で “OK, for you!”
あくまで元気、全く悪びれない対応、これは日常繰り返されるただの挨拶のようなもの。そう思えるようになってきました。

経済も政治もあまり芳しいとは言えないけれど39歳という若い首相が誕生して一年あまり。
老害政治がこれからどういう風に変わって行くのか興味がわいています。

修復中のトレビの泉にコインを投げて,またローマっ子に会えますように。

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茂木 初恵
(Hatsue Mogi)
東京都出身、ベルギー在住20年。ベルギー人の夫、大学生の息子とジャックラッセルテリアとアントワープ郊外に暮らす。趣味は音楽、スポーツ。「無我夢中」の文字がしたためられた書を友人から贈られるくらい幾つになっても熱く、今だからこそわかる日々の楽しみを感謝しながら享受中。

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