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温泉くん

湯の瀬温泉(山形県)

Text : Ayumu Komatsu

みなさま、ご無沙汰しております。温泉王子、通称「温泉くん」こと小松 歩(こまつ あゆむ)です。記事を書くのは久しぶりですが、この間もコツコツ温泉めぐりを続けており、今年で通算入湯数が1,500ヶ所を超えました(笑)。これからも引き続き「温泉くん」をよろしくお願いいたします。
さて、今回ご紹介する温泉は、山形県の「湯の瀬温泉」。日本海に面する鶴岡市の山あいに湧く、秘湯感満載の一軒宿です。

山形県鶴岡市は、東北の日本海側ということもあり、アクセスはあまり良いとは言えません。東京からの距離は約450km。車で向かえば、約6時間はかかる長距離ドライブです。それでも、風光明媚な道中は、都会とは別世界。日本海を横目に走る海岸沿いの道は、青い海に浮かぶ夕日が吸い込まれそうになるほど美しく、民家のほとんどない山道は、人工的な音のまったくない深い森林を味わうことができ、長旅の疲れを一瞬で吹き飛ばしてくれそうです。

そんな深い山道の途中に建っている「湯の瀬温泉 湯の瀬旅館」。一軒宿らしく堂々とした佇まいです。大きく「湯の瀬旅館」と書かれた赤い看板が特徴のインパクトのある外観は、周囲の深い森とのコントラストがキレイです。また、アクセスの不便さが、程よく「秘湯感」を高めてくれます。

「湯の瀬旅館」一番のウリはやはり「温泉」。それがこの全長23mの超巨大露天風呂です。小・中学校によくある25mプールの水が、すべて温泉に入れ替わったような圧巻の見た目。大きいだけでなく、最大の深さも1.2mあるため、全力で泳ぐことができます。僕ももちろん泳ぎましたが、注がれるのは温かい温泉のため、すぐに身体が温まり、数分でのぼせそうになりました。はしゃぎ過ぎにはご注意を。

こんなに巨大な露天風呂ですが、毎分800リットルという豊富な湯量に支えられ、なんと加水や加温・循環の一切ない「完全源泉かけ流し」での利用。また、どの場所にいても温度ムラがほとんどなく、広すぎる湯船で贅沢な湯浴みを楽しむことができます。

申し遅れましたが、この露天風呂は「混浴」。ですが女性は専用の「湯浴み着」があるので、混浴難易度は比較的低めです。家族で、恋人同士で、友達同士でと、男女関係なく、ゆったりとくつろげる大空間です。
(男女別の内湯、露天風呂には女性専用スペースもあるのでご安心ください)

湯に身体を沈めると、ほんのり心地よい「温泉」の香りが漂います。ほのかに甘い、アロマのような硫黄の香りは、お湯が新鮮な証拠。源泉かけ流しの無色透明なお湯が、やさしく身体を包み込んでくれます。
泉質は「アルカリ性単純温泉」。pH9.3という数値は、「石けん」に近い強アルカリ性で、つるつるすべすべする肌触りのとろとろな温泉は、典型的な「美肌の湯」。また、単純温泉という刺激が少なくクセのないお湯は、老若男女問わず人気の高い、万人受する泉質です。肌馴染みのいい浴感は、湯あたりしにくいため、ゆっくりのんびりと長湯向きです。

そんな万人受するやさしい入浴剤ならコレ!
僕が使っているのはコレです↓
『バスクリン ゆずの香り』

入浴剤の大定番「バスクリン」。そして日本人に馴染み深い「ゆずの香り」。いまでも「バスクリンシリーズ」の中で、No. 1の売り上げを誇る入浴剤です。自宅のお風呂を「ゆずの香り」で満たし、ほっこりリラックスしませんか。

湯上り後の食事は、温泉旅行ならでは、の贅沢な時間。湯の瀬旅館の自慢は、温泉と、この「料理」にあります。お刺身に始まり、煮付け、焼き魚、フライ等々、魚介尽くしのボリューム満点なメニューに舌鼓。旅館だけでなく、「鮮魚商」を営むという「湯の瀬旅館」。地元鶴岡市の由良漁港から揚がった新鮮な日本海の味を直接仕入れているのだそうです。そのため、山あいにありながら、鮮度抜群の魚介類を提供。美味しさの秘密は、こんなところにあったのですね。

「温泉」と「料理」が魅力の「湯の瀬旅館」。館内は素朴でアットホームな雰囲気です。人懐っこい女将さんの話す、心地よい山形弁に癒され、なんだか田舎の親戚のおばあちゃん家に帰ったかのような、ほっと安心できる素敵な空間でした。

小松 歩
Ayumu Komatsu
1987年東京生まれ。大学の4年間を北海道で過ごし、その間に生死を彷徨う交通事故の後遺症治療で湯治を体験し、温泉に目覚める。
今では全国で1,100ヶ所以上の温泉に入り、今春には3年間努めたハウスメーカーを退職し、日々、温泉の研究に励みながら「温泉くん/温泉王子」として執筆活動をスタート。
連載に燃えています!