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温泉くん

二股ラジウム温泉

Text : Ayumu Komatsu

初めまして、小松 歩(こまつ あゆむ)と申します。

2013年の3月いっぱいで3年間勤めたハウスメーカーを退職し、全国の温泉を巡る旅をして、半年で600ヶ所以上入ってきた温泉王子、通称「温泉くん」です。

そんな僕が温泉にハマったのは大学時代…
東京生まれ東京育ちの僕は、進学に北海道網走市の大学を選びました。
いざ行ってみると、そこは大自然の宝庫。
しかし、都会育ちの18歳から見ると、遊ぶところがあまりなく少々退屈でした。
たまたま近くには温泉がいっぱい!やることもないので友達と片っ端から入りました。
そんな経緯で温泉好きになり、北海道の温泉巡りを繰り返していた大学3年生の冬のこと。網走から車で2時間ほどの知床をドライブ中、交通事故に遭い、首を骨折(第6頚椎)!右手が動かなくなりました。(ちなみにその事故は、車でヒグマに乗り上げ、車が2回転半して森に突っ込むというビックリ仰天な事故。死ななくて良かったー)もちろん、即入院。
3週間ほどの入院生活中のリハビリで、右手は動くようにはなったのですが、力が入らなく使いものになりませんでした。

そこでかねてからやってみたかった温泉療法“湯治”を自分自身の身体で試してみようと思い、北海道長万部に。「二股ラジウム温泉」にて2週間ほど毎日8時間温泉に入るという湯治生活を敢行しました。

結果は驚きの効果!!
右手は元通り動くようになりました!!!
しかもガラスを被ったことによる顔・腕の裂傷もキレイに治った!!

この経験から“温泉ってすごいんだなぁ”と心の底から実感し、
さらに温泉にハマっていくことに…。

今では大学時代に400ヶ所と、退職後の日本一周を含めると合計で1100ヶ所以上の温泉に入ってきたことになります。
そんな僕が、これからMirroirの先輩たちに、毎月とっておきの温泉情報をお届けしていきたいと思います。

1回目の今回は、僕の原点であり、温泉くん誕生のである「二股ラジウム温泉」。

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二股ラジウム温泉は、札幌と函館の中間、北海道南部の長万部町にあり、明治時代から湯治場として栄え、戦前は帝国陸軍の保養施設としても使われていた効能豊かな温泉です。山奥の自然に囲まれた秘湯感満載の温泉。ちなみに携帯電話は圏外!笑
お風呂は男女別の内湯もありますが、メインは混浴の内湯と露天風呂で、リハビリ用に温泉100%のプールもあります。

泉質は、ナトリウム・カルシウム-塩化物泉。舐めるとほどよくしょっぱい、茶褐色の温泉です。肌触りはキシキシとしていて、成分の濃さを感じます。実際に湯治中は、カルシウム分が肌と髪の毛に付着し、石灰を塗ったように白くゴワゴワになりました。カルシウムには、鎮静作用があるので、このおかげで事故による肌の傷もキレイに治ったような気がします。

湯温は38℃前後で、何時間でも長湯できます。ぬるいので汗はあまりかきませんが、湯上りはポカポカで、身体の芯から温まっているのを実感!体温を上げることは、万病に効果を発揮するとても大切な要素ですので、とてもオススメです!実は、美肌のためにも38℃ぐらいのお湯が一番よいとされています。これ以上湯温が高いと、お肌の必要な油分まで溶かし、水分がどんどん奪われ、ガサガサの乾燥肌になってしまうのだとか。ぬるめなので、なんとなく物足りないと感じるかもしれませんが、身体に負担をかけずに内側からじっくり温めてくれるので肌にも髪にもよい!日頃のお風呂やシャワーにも取り入れてみてください。

話を戻して…。

湯治中は、毎日3〜4回の入浴。つまり、6〜8時間入り続けるので退屈かと思いきや、同じく湯治している方々がいっぱいいて、入浴中はほぼおしゃべりを楽しみながら、という感じ。仲良くなったおじいちゃんからは、とれたての毛ガニをごちそうになったり、地酒を頂いたり、ちょっといい思いもあり、意外にも楽しかった!
そんなこんなで2週間があっという間に過ぎて、右手の状態も後遺症もなく元通り!
肌の傷も綺麗に治り、なんだか以前よりキメも細かくスベスベになった気もしました!!心身ともに完全復活…いやいや、生まれ変わってさらに強くなったような、そんな二股ラジウム温泉でした。

温泉は、美容にも健康にも本当にいいんですね。

それでは、来月もぜひお楽しみに〜!

小松 歩
Ayumu Komatsu
小松 歩1987年東京生まれ。大学の4年間を北海道で過ごし、その間に生死を彷徨う交通事故の後遺症治療で湯治を体験し、温泉に目覚める。
今では全国で1,100ヶ所以上の温泉に入り、今春には3年間努めたハウスメーカーを退職し、日々、温泉の研究に励みながら「温泉くん/温泉王子」として執筆活動をスタート。
連載に燃えています!