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セカイ通信 LA

Sunny Day In Venice

Text : Oko Sakata

この頃のLAは、朝から日差しいっぱいの晴天続き。もう夏がきてしまったかのような毎日です。

乾燥気味なのも少々気にはなりますが、青空広がる気候はこの上なく過ごしやすい。LAに戻ってくるたびに、LAの天気はやっぱり最高だなって思います。

私が雅美さんと知り合ったのは、まさに今日のような太陽がいっぱいの日、共通の友人から紹介されたのがきっかけでした。ビーチ沿いのレストランでランチして、そのまま4時間位話し込んだっけ。

それ以来、LAや日本で仲良くして頂いています。

雅美さんは、まさに楽しく歳を重ね、人生をポジティブに捉える人。
一緒にいるだけでパワーをもらえる貴重な人です。

そんな人から頼まれたら断れません(笑)。

でもFrom LAって何から書こう??

頭を悩ませつつ、天気もいいしことだし、私が一番好きな街Veniceでコーヒーでも飲みながら考えようっと。

VeniceはSanta MonicaとMarina Del Reyという二つの高級住宅地に挟まれながらも治安は悪く、一方でスケートボードやストリートパフォーマンス、グラフィティといった独自のカルチャーを発信してきた不思議な街。

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今でも決して安全とは言い切れませんが、アーティストやクリエーターたちが好んで住み始めたのをきっかけに、高級マンションやレストランも次々と出来はじめました。

Google社が新オフィスを構えたこともあり、地価も高騰中。街はどんどん進化しています。

高級なものと庶民的なもの、新しいものと古いもの、洗練されたものと生活感溢れるもの、そんな相反するものが混在し様々顔を持つVeniceは、街ごとのカラーがはっきりしているLAに於いてちょっと異色な存在。でもそれこそがVeniceの魅力だと思います。

と、いうことで初回はVeniceをテーマに・・・。

まず向かうはDeus Ex Machina。

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1001 Venice Boulevard, Venice, CA 90291

Venice BlvdとLincoln BlvdというVeniceを象徴する2つの大通りがクロスした場所に位置するランドマーク的な建物は、場所柄も手伝って、木材と煉瓦の外観からは一見バイクショップにしか見えないのですが、実はアパレルを中心としたライフスタイルショップ。

日本の男性誌にはこぞって取り上げられているオーストラリアのブランドのVenice店です。

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Deusはサーフィン×モーターサイクルという今や大きな潮流にアートや音楽をも連動させたライフスタイルを提唱しているブランド。

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日本ではロンハーマンといったセレクトショップで取り扱っているようですね。
アメリカには2年前、ここVeniceに上陸しました。

店内にはサーフボードやカスタムバイクがディスプレイされ、サーフィンとモーターサイクルというクロスカルチャーを表現しています。

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壁にはDeusロゴやバイクをモチーフにしたアート作品の数々。

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でも残念ながらこれら殆ど非売品なんです。

アパレルはオリジナルのものがメイン。サイズもXSからあるので日本人にもOK。

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種類の多いTシャツは男性へのお土産に喜ばれそうですね。

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置いてあるものは男性ものばかりですが、中にはユニセックスで使える小物類もあります。

お勧めは “Late Sunday Afternoon”。

ストールを中心としたVeniceブランドで、全てハンドメイドなので点数も少なく、人とかぶりません。

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また同じくハンドメイドのサングラス”Raen“も取り扱っています。

ショッピングもアリですが、目的はどちらかというと併設されたコーヒーショップ。

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LAで人気のHandsome Coffee Roastersの豆を使用し、世界的なバリスタの中にも愛用者の多いLA MARZOCCO社のエスプレッソマシンで淹れるコーヒーやその他セレクトされたオーガニックジュースやソーダ類もあります。飲物以外には、LAのダウンタウンにあるB1 Breadshopのクロワッサンやデニッシュ、サンドイッチやフルーツ、シリアルなども。

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こうした飲食の細部までのこだわりが、バイクやサーフィンに興味の無いローカルにも受け入れられ、Veniceのコーヒーショップとして一目置かれる存在になりました。

土日には朝食を食べているファミリーも見かけます。

一方バイク好きと知られるベッカムやオーランド・ブルームといったセレブもよくパパラッチされていたりします!

修理工場を彷彿させる店内はハードでスタイリッシュ。

だけど何故か落ち着くのはサーフィンのリラックスムードがそうさせているのかもしれません。

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飲物を片手にショッピングをする人がいたり、店内のソファやアウトサイドのテーブルでのんびりおしゃべりする人がいたりと過ごし方は様々。かくいう私もPCを持ち込んで、この原稿を書き上げています。

Veniceならではの色んな人がいるので、それを見ているだけでも楽しい。

お店では駐車場を利用したイベントも随時開催。

特にバイカーが主体となった企画が多く、毎月第3日曜日にはSunday Massというイベントが行われています。

写真で見ると駐車場を埋め尽くすカスタムバイクとTattooをした人達が大勢いてちょっと怖いのですが、実際はアメリカの日常的なBBQパーティー。

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炭火焼のハンバーガーやホットドック、ビールがあって、バンド演奏があって、踊っている子供もいたりと、誰でも気軽に参加できるイベントです。

ちなみに、ビールの値段はDonation。つまり寄付なので1ドルの人もいれば3ドルの人も。こういう所がアメリカっぽいですよね。

と、ここでのんびりした後は、もう一杯コーヒーをTo Go(テイクアウト)して、もっともVeniceらしいところへ。

そもそもなんでLAにVeniceが?

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それは1905年に大地主であった大富豪のAbbot Kinney氏が、イタリアのVeniceをここに再現しようして開発したからなんです。だからVenice!

その後当時の運河の殆どは埋め立てられ道路となり、残った運河が唯一の名残。

ガイドブックにも載っているほど今や観光スポットとして定着していますが、実はローカルにとってここは絶好の散歩コース。

というのもその運河に沿って遊歩道が設置されているのです。

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LAは車での移動が基本なので、歩く機会が少なく、こうして散歩する所に出向かないといけないのが難点。

なのでアヒルやカモが泳ぐ運河沿いを、子供や犬を連れて飲物片手に散歩する人を多く見かけます。

運河に面した家々は決して大きくはありませんが、その多様なライフスタイルを反映した思い思いのデザインでどれも個性的。立ち並んだ家を眺めながら歩くのも楽しみの一つです。

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実際に運河は使われていませんが、各家には小さな船着き場がついていて、カラフルなボートがデコレーションとして停泊していたりします。

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運河では季節ごとに様々なイベントも開催。

独立記念日にはDuck Race。運河にゴム製のアヒルを放流し、そのスピードを競うもの。

本物のアヒルの横でゴム製のアヒルが浮かんでいる様子は微笑ましいと言うか、正直笑えます。

クリスマスには装飾を施した手漕ぎボートでのパレードなど、誰でも参加できる和やかなイベントです。

運河沿いの住宅はビーチからすぐの距離の割にはとても静かと言うロケーションの良さもあり、今では高級住宅地。

住人の中にハリウッドセレブがいるのも納得ですね。

こうして、街の喧騒から離れのどかな運河を眺めていると、時が経つのも忘れてしまいます。

おっと、そろそろ、車に戻って家に帰らないと。

リラックスいっぱいの気分もつかの間、現実の世界へと引き戻すのがLAの渋滞。

車社会のLAでは、散歩するにも車で向かって、駐車スペースを必死に探して、渋滞に巻き込まれて…。

のんびりしている時間より、イライラ運転している時間の方が、実は長かったりします。

ま、これもLAらしさかなぁということで、1回目は終わりにしましょ。

これからも何気ないLAの徒然、お届けしていきますね!

サカタ オーコ
Oko Sakata
パリで生まれ、幼児期を過ごす。それ以降はどっぷりとドメスティックな生活を送っていたのが、4年前にLAで生活することになり、現在に至る。
年に数回、数週間かけてLAから脱出しているので、「今、どこにいる?」ってよく聞かれます。
特技はパッキング。パーソナルトレーナーをつけての肉体改造が今年の目標。