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ガラパゴス、あれこれ

Text : Hatsue Mogi

読者のみなさま、こんにちは。

あなたはもちろんもうスマートフォンをお持ちでしょう。

未だ“ガラケイ“をバッグに忍ばせていらっしゃる方はいらっしゃらないですよね?

そういう私もつい最近ガラパゴス諸島から抜け出させていただいたばかり(笑)

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あ、諸島をバカにしないでくださいね。

住み着いて生きやすくなるように独自に進化した生物のどこが悪いのでしょうか?

ユニバーサルには通用しないですって?

いやいや、自分の住む土地でコンフォタブルならばそれに越したことはないのでは?

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たとえば、羽田の国際線ラウンジに行ってご覧なさい。

ラウンジと言うところはエコノミークラスの乗客は普通はいません。

ラッキーにアップグレードがあった私も普段はエコノミークラスです。アムステルダムのラウンジは夫の関係で何度か入りましたが、日本のそれは初めて。

入ると日本のおじさま方がせわしなく朝食をとられています。見回せばソファはなく、「街の清潔な食堂」という感じ。べつに空腹ではない私はゆっくりと座わりたいだけでしたので、そのお隣の別室、ソファに落ち着いた照明のブースに入りかけましたが、「JALファーストクラス専用」という文字を見てあわてて引き下がりました(笑)

そして再び食堂へ。美味しそうなブッフェやシャンパンはあるのですが、一杯のコーヒーがどこにあるのかわかりにくく、ワイシャツにバッジを下げた中年の男性をみつけ、「すみません!」と声をかけてみたものの、応答が無いのでもう一度目を見て「すみません」と。すると「なんですか、いったい?」とメガネの奥からすごく迷惑そうな顔をされてしまったのです。

ああ、彼はそこの係の方ではなかったようです。ごめんなさい!

でも何か聞こうとしている女性がいたら一瞬、耳を傾けても損はないように思ってしまいますが。

ブッフェの食べ物は逃げません。応答することに3秒もかからないじゃないですか。

そこで笑って、一日がちょっと楽しくなるかもしれないし、「早朝からファンキーなおばさんがいてさ」なんて、出張先で話題にしたっていいじゃないですか。

なんだか偉そうで、自分は忙しくて人にかまってる余裕はない光線を出しまくっているのです。気がつけば周りは朝ごはんをかきこむ、そんなおじさまばっかり。殺伐とした雰囲気に一刻もそこにいたくなくなって出てしまいました。

そこで頭に浮かんだのはなぜか「ガラパゴスオヤジ」というTERM(笑)

一方、私は日本にもテニス仲間がいるので、一時帰国の際もラケットを振るわけですが、春爛漫のお日様が暖かな笑顔を見せてくれているコートでのこと・・・。

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なぜか、女性たちは黒いハイネックの上にTシャツ、ボトムスは黒いレギンスに短いスコートを重ねて、おまけにとっても長いサンバイザーにマスク!!

紫外線によるエイジングを避けたいのでしょうが、その姿はあまり楽しそうではありません。

暑さを我慢しているのも気の毒ですが、なぜ、その上に上下白っぽいものを重ねているのでしょう?

どちらか一つで十分なのでは?

聞くところによると、レギンス付きのスコートが主流というか、それしかショップには売っていないとか!

街中でも黒い長い、まるで夜会用の手袋のようなものをはめて自転車に乗るご婦人がいますね。

あまり、爽やかな風を切って・・・という感じには見えません。これもガマンをしているように見えてしまいます。

その上、それだけ大切に守っている美肌は、いつ誰にご披露するのでしょう?(笑)

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日本ではもうそれが当たり前で、誰も疑問には思わないようですが、ユニバーサルに見るとこれはとても不思議に見えるわけです。世界的な流れから外れて、独自の進化を遂げることがガラパゴス化だとするとそれもそんなふうに見えてしまいます。

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またまたその一方で、そのガラパゴス化の結果がもたらした素晴らしい日本の名品もあります。

キッチンのラップなどはその最たるものでしょう。あれほど日本以外の国との技術差があるものもないのではないでしょうか?

ラップ自体の強さ、そしてスパッとした切れ味を味わうたびに武士の刀を連想させ、メーカーの方々が真面目に研究を重ねていらっしゃる姿が浮かび、感動します。

他国において、切れないラップのイライラから起きる家庭内騒動は数え切れないでしょう(笑)。

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それからお一人様用の生活用品の便利さ、かゆいところに手が届くような品揃え、それが100円で買えてしまう爽快さ。これも素晴らしいな、と。今回はピンチつきミニ物干しを買ってきましたが、とっても重宝しています。

そしてその王者と言えるのが温水洗浄便座。それが住宅だけではなくデパートにでも、どこにでもあるという素晴らしさと言ったら!

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世界のスタンダードを無視して、その国オリジナルの発展を良いベクトルで遂げた姿はガラパゴス現象の最たるものですが、これこそ、グローバルに普及してもらいたいですね。

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ひるがえって、ヨーロッパにも同じ現象はあるのでしょうか?

次回はそちらを考えてみましょうか。

ただし、それがあったとしても彼らは決してソレをガラパゴスだなんて思うはずはないのですね。

なぜなら彼らは、彼らこそがスタンダードだと思っているフシがあるからです。

もしかしたらそれ自体が立派なガラパゴスかも知れませんね(笑)

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それでは、その前に日光浴と行きますか。夏に向かってタンクトップを着るにはナマアシも少し焼いておかないと!少々の紫外線エイジングは覚悟、お日様の気持ちよさを私はとります!

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あ、これもひょっとして・・・?(笑)

茂木 初恵
Hatsue Mogi
東京都出身、ベルギー在住20年。ベルギー人の夫、大学生の息子とジャックラッセルテリアとアントワープ郊外に暮らす。趣味は音楽、スポーツ。「無我夢中」の文字がしたためられた書を友人から贈られるくらい幾つになっても熱く、今だからこそわかる日々の楽しみを感謝しながら享受中。