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セカイ通信 LA

One-day trip from Los Angeles

Text : Oko Sakata

LAに住んでいていいなと思うことは、ハリウッドやビバリーヒルズといった人工的な街のすぐ近くにビーチがあり、そしてさらに数時間も車を走らせれば大自然に触れられること。 なんてったって、アメリカが誇る一番の宝は大自然。世界で最初に国立公園を制定したのもアメリカでした。
そんな大自然に触れる、でもそれだけじゃない欲張りなOne-day tripを今回はご紹介します。

まずはランチや飲み物を購入して、朝9時前にはLAを出発。
フリーウェイ#10を東へと車を走らせ、単調な景色を1時間半ほど走ると、砂漠の中のリゾート地 Palm Springsの手前で突如、風車の大群が現れます。

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カリフォルニア州は世界的にみても最も風力発電に力をいれており、この地域だけでも3,500もの風車が設置されているとのこと。これらの風車群が山の頂上から中腹そして平地に設置され、その規模は中途半端ではありません。見渡す限りの風車群は圧巻でちょっとした名物ですが、今回の目的はここではありません。

風車群を横目に過ぎ、しばらくするとYucca Valleyという街に入ります。空いてれば2時間もかからずに到着したのはJoshua Tree National Park。

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LAから気軽に行けるこの国立公園は、Palm Springsのすぐ東側に連なる不毛の山々と高原砂漠にかけて広がっています。
入場料を払っていざ園内へ。

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1台につき15ドル、7日間出入り自由です。年間パスは30ドル、テーマパークに比べ破格の安さ(笑)。
ゲートを抜けると特にこれと言って何もない景色が広がるのですが、突如サボテンのようなJoshua Treeの大群が両側に広がります。

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Joshua Treeは正式名称をYucca brevifolia(ユッカ・ブレヴィフォリア)と呼び、本来は「木」ではなくユリ科に属する植物。高さは大きいもので15m近くに達し、推定年齢は約900年にもなるそう。1990年U2のアルバム『Joshua Tree』がリリースされて以来、その名は一躍世界に知られるようになったので、聞いたことがある人も多いはず。 近くで見るとこんなかんじ。

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枯れているようですが生きてます(笑)
この不思議な名前の由来は、19世紀半ばに西を目指して旅を続けたモルモン教徒達が、この地を通った際、猛暑の中でゆらゆらと奇妙な形をしたこの巨大な植物が、聖書に登場する指導者Joshuaが西の方に向かって手招きをしている姿に見えたことからこの名前がついたといわれています。ちょっと神秘的なのも納得。

ニョロニョロ生えるJoshua Treeの世界は、しばらくすると大きな岩の大群に主役の座を奪われます。

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このように、この公園の一番の魅力は、色々な表情を持つところ。車を走らせるとその景色はどんどん変わっていくのです。
5分もすると、Hidden Valleyに到着。

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ここにはキャンプ場の他に、日帰り用のピクニックエリアがあり、BBQのコンロも設置されています。今日のランチはこちらのテーブルで。

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まるで違う惑星に来たかのような異次元の世界を彷彿させる巨岩群。

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これらは1億年前頃に冷えて固まったマグマが地下水による浸食により形作られたもので、大きいものは20m級。
ロッククライミングに絶好の場所となっています。

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ゴロゴロした岩を眺めていると、ロッククライマーでなくても岩に上りたくなります。お腹も満たされたことだし、ちょっと歩きましょう。
実はここ、手軽に楽しめるトレイルコースがあります。

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1周約1.6キロ、約30分のコースです。足元もスニーカーでOK。
こんな奇妙な岩の間を抜けていくと、

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Valleyというだけあって、そこには谷間が広がっています。

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大小さまざまな形状の石に囲まれた谷間は、恐竜でも出てきそうな不思議な空間。
ここだけ時間が止まっているかのようです。

トレイルから戻って、その他のポイントにも行ってみましょう。

絶景ポイントのKeys Viewにもトレイルコースもありますが、トレイルせずとも駐車場から数分歩くだけで眼下にこの景色が広がります。天気が良ければ遥か遠くメキシコのシグナル山を見ることが出来るそう。

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また、Joshua Treeの他にもサボテンやユニークな植物が数多く自生しています。その代表がCholla Cactus Garden

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背の低いサボテンCholla Cactusはなぜかここだけに群生。
見た目は可愛らしいこのサボテンですが、棘は鋭く危険なので、周りには柵がありました。

面積約3200k㎡、東京都の1.5倍の園内は、車で2時間もあれば横断できます。随所にある個性的なビュー・ポイントを車で手軽に周れるのも人気の理由。もちろん車を停めてピクニックやハイキングすることもできます。キャンプ場は9カ所、文明から取り残されたかのような空間で見上げる夜空は人生観を変えるとか。

アウトドア初心者から上級者までどのレベルでも楽しめるJoshua Tree National Park。 携帯が通じないのは当たり前で、水や食物、ガソリンなどを提供するサービス施設もない。 果てしない青空をどこよりもゆっくりと太陽が動いているような非日常の自然、たまにはいいですよね。

大地が秘めるパワーを存分堪能したあとは、そのまま帰るなんてもったいない。
大自然の後は…やっぱり買い物(笑)

実は、隣の街Palm Springsには以前からアンティークのお店が多く存在しています。その影響もあってJoshua Treeに向かう途中の29 Palms Hwy 沿いもここ最近お店が出来始めました。
アンティークというとファイヤーキングといった食器がまず思い浮かびますが、商品は実に多岐にわたります。カリフォルニアのアンティークは、広いガレージに湿気の無い気候の為非常に良い状態で眠っていたもので、掘り出し物も数多く。
アンティーク好きではなくても楽しめるアンティークハント、何軒か覗いてみましょう。

JT Trading Spot
61716 29 Palms Hwy
Joshua Tree, CA 92252

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オリジナルの家具から地元アーチストの作るアクセサリー、レコードや古着がセンス良く広い店内に飾られています。アンティークショップというよりはセレクトショップに近い感覚。

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LAの店にも勝るとも劣らないセンスにファンが急上昇中。LAからわざわざ来る人も多いそう。
飾り方のアイディアも参考になります。

Pioneer Crossing Antiques
55854 29 Palms Highway
Yucca Valley, CA 92284

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ここはいわゆるアンティーク・モール。幾つものディーラーが自分のブースを自由に飾りたて委託販売を行っています。

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置いてあるものは様々。ブースの使い方にも個性が表れていて、まるで誰かの部屋を覗いているみたい。見ているだけでも楽しい。

Route 62 Vintage Marketplace
55635 29 Palms Hwy
Yucca Valley, CA 92284

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洋服からレントゲンの造影機までと、その豊富な品揃えに何かお宝が見つかりそう。

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Tamma’s Magic Mercantile
55727 29 Palms Hwy
Yucca Valley, CA 92284

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広いスペースには家族写真をはじめ、こんなものも?というものが沢山。

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アンティークハントでは隅々まで根気よく見ることが、掘り出し物を見つけるポイントだそうです。
LAにもこういったアンティークショップは有りますが、LAよりも全体的にリーズナブルでした。
この他にもアンティークショップは勿論、コーヒーショップやヨガスタジオもあり、今後このエリアには、どんどん素敵なお店が集まってきそうな予感がします。

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アンティークで掘り出し物が無くても、気を落とさずに(笑)。 欲張りなOne-day tripではもう一つショッピングスポットに立ち寄ります。

LAに戻る途中にあるアウトレットは日本でもおなじみのプレミアムアウトレット。
Desert Hills Premium Outlets
48400 Seminole Drive
Cabazon, CA 92230

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日曜日は20時までですがその他の日は21時までと遅くまで営業。夕方から行っても十分買い物できちゃいます。夕方のフリーウェイの渋滞を避けるためにもここに寄った方がベター。

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ここには日本のアウトレット未上陸ブランドも沢山。
Saint Laurent などのハイブランドは勿論ですが、VinceやJames Perse、Rag & Bone 、Calypso St. BarthといったベーシックなアメリカブランドにBrunello Cucinelli、Helmut Lang、Sandro等のヨーロッパブランド。 インナーのLa Perla 、Wolfordもあり。
イギリスブランドのBelstaffは西海岸で唯一の直営店なのでレギュラー商品も完備。レディスは今の所ここでのみ取り扱い。エッジィなワンピースなどのラインは日本未上陸なので要チェックです。

これだけのブランドがアウトレット価格となると、ちょっと前まで大自然に囲まれていたこともすっかり忘れてエンジン全開(笑)。 閉店時間まで思う存分買い物したら、LAまでは渋滞もなく2時間もかからずに戻れちゃいます。
そう、こんなに手軽に大自然とショッピングが1日で楽しめるのもLAの醍醐味。
やっぱりLAっていいな~と思う私、突然ですがこの度LAを離れることになりました。
もっともっとお伝えしたいことは沢山あったので、今回で最終回となるのは残念ですが、セカイ通信を通じて、少しでも皆さんにLAを身近に感じてもらえたら、嬉しいです。
それでは、また、いつか、どこかでお会いできる日を楽しみに♡

サカタ オーコ
Oko Sakata
パリで生まれ、幼児期を過ごす。それ以降はどっぷりとドメスティックな生活を送っていたのが、4年前にLAで生活することになり、現在に至る。
年に数回、数週間かけてLAから脱出しているので、「今、どこにいる?」ってよく聞かれます。
特技はパッキング。パーソナルトレーナーをつけての肉体改造が今年の目標。