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セカイ通信 FIRENZE

イタリアにも夏がやってきました

Text : Noriko Hikichi

朝から暑い日が続いています。
今年はいつもより少し早く訪れたようで、真夏が訪れるのが今から恐ろしいです。。
こちらの日差しはとても強く、皮膚に刺さるような感じです。。
気にしてなんかいられない!と思っていますが、紫外線もきっととても強いでしょう。考えない様にしていますが。。。

それ故日本ではおしゃれアイテムのサングラスも、こちらではとにかく日差しが強く目を開けていられないので小さい子供達までがかけています。
ときにはちょっとずれ落ちたりしていて、その姿がなんとも愛くるしいです。

さて、今回はちょっとフィレンツェを離れてミラノからの情報をお届けしようと思います。

みなさまご存知の通り5月1日から10月31日まで”ミラノ国際博覧会(EXPO)が開催されています。
今回のテーマは”食”。[地球に食料を、生命にエネルギーを]で、現在のイタリアにとってもぴったりのテーマだと思います。

そして、世界各地における食料不足、食育、遺伝子組み換え物質などの問題をとり扱っており、飢餓や乳幼児死亡、栄養不足を排除し、感染症を撲滅し、すべての人が安全で良質な食物を享受する事をテーマにしています。

5月1日を前に、新聞等では”工事が開催に間に合わないのではないか!?”という情報が飛び交っていましたが、イタリア人達が言っていた”当日までにはなんとかなる!”という言葉通り、なんとか開催初日には間に合っていました。

しかし次の日にはミラノでイタリア人を含むヨーロッパの人々によるかなり激しいEXPO反対デモがありました。ミラノの街中でいろいろな物が破壊されたのですが、その後ミラノ市長による呼びかけでにより2000人以上のミラノ市民が集まり破損された物の修復にあたりました。

さてEXPOの会場ですが、開催国イタリアのスペースは会場のほぼ中心部にありどの国よりも広く設けられています。
イタリア全体を紹介するイタリア館、そしてイタリア各州を紹介する州館、そしてイタリア全土のワインを紹介しているワイン館に分かれています。
開催国ということもあり、こちらに来る方はイタリア館は外さないでしょうから、たくさんのからが来ていて待ち時間は約1時間30分でした。

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EXPO期間中、会場内外でさまざまなイベントが催される予定ですが、フィレンツェがあるトスカーナ州は12のレストランが順番にトスカーナ州の料理を披露しています。
残念ながらこちらは招待客のみの参加で、会場から少し離れたミラノ市内のレストランで披露されます。
そして各料理のシェフ、専門家、生産者の方が招待された世界各地のジャーナリストに説明をしていきます。

お料理と合わせて、フィレンツェでいえば、昔のお洋服を着てみなさんにお披露目する催し物が行われました。これはフィレンツェ、イタリアの休日の度に行われる行事です。

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イタリア館の方では、まずワインやバルサミコ酢などのいたりあの生産物の生産者による説明を聞くところから始まりました。
白いマネキンのような人形がいくつかあり、生産者が説明をするたびに、音楽が代わり、マネキンにその方達の顔が次々を映し出されていました。

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それからイタリアは日本と同様、地震が起こる国といわれていますが、一番最近で大きな地震があったアブルッゾのことがとりあげられていました。
教会の中で地震が起きた時の映像などが流れていました。
イタリアではみなさんご存知の通り古い建築物ばかりなので、地震が起きるとあっという間に建物が破壊してしまいます。その怖さを目の当たりにしました。。。

そして、その次にこれが一番イタリア館の中で素晴らしかった、イタリアの建築物をスクリーンに映し出して取り上げているスペース。
ここでは、イタリアの美しさを再確認できる場所でした。
ここでは長い時間、みんな足を止めてスクリーンに目が釘付けでした。→4

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その次のスペースでは、各州の力を入れていることについての小さな展示とそれに合わせて文字と画像が浮き出てくるスペースでした。

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最後はイタリア各州を代表する植物の展示がありました。ハーブあり、ワインを作るぶどうあり。。でした。

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そして、イタリア館を出るとEXPOとコラボした主にキッチン用品を買えるお店があります。
商品のカラーはイタリアの国旗らしく赤、緑、白で統一されていました!

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イタリアの各州の展示をしているところでは、特別な物はあまりないのですが、各州の特産物を知る事が出来ます。

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それから、ワイン館。
こちらはイタリア全土のワインをテイスティングする事が出来ます。
3種類のワインを10ユーロでテイストできるのはかなりお得でしょう。
ソムリエの方が何人かいらっしゃるので、質問もいろいろ受け付けてくれると思います。
こちらのアプリもあるので、そこから展示されているワインの購入も可能です。

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そして、私達の日本館。
政府関係者の方によりますと、今までのEXPOの中で一番力を入れているそうです。
イタリアにおける日本食のレストランの増加などにも伴い、日本食はイタリア人にもかなりの人気です。
それ故来場者は多く、平日でも最低1時間以上の待ち時間でした。

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外見は”質実剛健”というような、立体木格子による構造でした。
法隆寺などに使われている耐久性に優れた構造体だそうです。

入ると雨に恵まれている日本と人による環境破壊と再生を書画で表現していて、また絵巻物のような展示で日本館の始まりを表現していました。

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その空間の次にあったのは、目の前と腰の高さにあるスクリーンで水田の四季を表現しているものでした。日本人の私が見ても綺麗で、これには海外の人達から驚きの声が上がっていました。

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そして次では長い廊下のようなスペースに大小の押し花の掛け軸がいくつかあり、見る人の心を和ませていました。

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その次のスペースに移ると、次から次へと日本食のお料理のコンテンツが滝の様に上から流れてきてみる事が出来ました。その数約1000だそうです。

そして次へ移動すると、そこでは日本食に込められた伝統の知恵と技が各素材ごとに展示されていました。日本では常に見る事が出来るプラスチックで出来ているお料理、きっと海外の方の目を引いたと思います。

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そして次はちょっとまじめなお話のスペース。残念ながら特に子供は飽きてしまってその次に進みたがっていましたが、ここでは自然と一体化しての持続的な農業生産の取り組みや、コウノトリやロボットなどが登場し地球が抱える問題に対しての日本の解決策などが紹介されていました。

その後は、日本の食材、料理に合わせた様々な食器の紹介でした。
合わせて和食器のデザインや伝統工芸なども合わせて紹介され、伝統とモダンが融合された”クールジャパンダイニング”が披露されていました。

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その次はスクリーンで見る今の日本。世界でおなじみの日本のアニメ、ファッションや、今も引き継がれている伝統文化の紹介がありました。
最新の日本と昔ながらの日本の両方が垣間見れたと思います。

最後はレストランシアターでした。
来場者が各テーブルに着席し、備え付けられているお箸で質問の答を画面に出てくる画像をタッチして早さをみんなで競ったり、ちょっとしたゲーム感覚も味わえました。
2人の役者さんが出てきてみんなと掛け合いをしたり、来場者みんなが一体感を味わえる空間になっていました。

日本館は展示内容が多く、内容もイタリア人に人気でした。
日本人でも再発見出来ることがあると思います。

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このEXPO開催時期は暑い時期になるので、こちらにいらっしゃる皆様、水分補給をお忘れなく!
そしてミラノ近辺にも足を伸ばされてみてはいかがでしょうか?

ヒキチ ノリコ
Noriko Hikichi
2001年よりフィレンツェ在住
翌年よりトスカーナ料理のレストラン勤務。将来は日本とイタリアを行き来出来る事を夢見ています。甘いものが大好き。