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日光へいこう! 前編
〜ちょっとした時間旅行〜

Text : Masami Watanabe
Photo : Masami Watanabe (一部、同行者の画像使用)

日光は私の大好きな土地のひとつで、昔から度々訪れています。

この冬、私は4名のそれぞれスペシャリティを備えた美女たちと1泊2日の濃ゆ〜い日光女子旅に出かけてきました(笑)。旅のスペシャリストの芹澤和美さん、モデル/ビューティジャーナリストのYUKIKOさん、ホリスティックビューティ講師の三浦絵里子さん、そして漢方のスペシャリストの柳沢侑子さんと旅を共にし、見たもの、感じたことを徒然なるままにご紹介していきますのでどうぞ前編・後編とお付き合いくださいね。

大好き!日光

「日光」という場所。
一体、何が魅力なのか・・・?

きっと、その理由のひとつは、まるでタイムトリップしたかのように歴史を感じられるからなのかもしれません。今じゃない時代を感じられるような、そんな気分を味わえるからなのかも。

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中禅寺湖を中心とした奥日光では、昔から湖畔に西欧の大使館が好んで別荘を構えていました。訪れると、そこは日本なんだけれど、まるでヨーロッパにいるような不思議な感覚を覚えます。なんとなく、北イタリアのコモ湖っぽい。現在もイタリア大使館別荘記念公園が一般公開をしていますし、まもなく、旧英国大使館別荘も開館しますね。なんと120年の歴史を経て、一般公開になるのだそうです。行けば、良き19世紀の時代を感じられるのかもしれません。
・・・ちょっとした時間旅行です。

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上:イタリア大使館別荘記念公園。シックで素敵な佇まい。

東照宮や二荒山神社などの世界遺産が集中する日光市中心部には、アインシュタインやヘレン・ケラーも宿泊したといわれる名宿 日光金谷ホテルがあり、また、かつては天皇家の御用邸がありました。かの、東照宮は完璧な風水をベースに、そもそも江戸から見て方角がよいとされていた日光に建設されたと言われています。
そのくらい日光市は“気”がいい土地として、長い間、歴史上の様々な人物たちから愛されている場所なんですね。

今回は、冬の日光で、改めて江戸を、明治を、昭和を、その時代の空気を感じてきました。パワースポットを訪れ、歴史上の人物の愛した料理を頂き、五感で楽しんだ旅。

私は改めて、日光の魅力にハマりました!

「日光」と言えば・・・の二社一寺

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日光山輪王寺は、とても広い。それもそのはずです。日光山にあるいくつものお寺やお堂を全て総称して「日光山輪王寺」というのですから!
まだ空気も凍てつく真冬の早朝に、護摩堂で執り行なわれる護摩お炊上げ祈祷に参列しました。沢山の仏様、神様が並ぶお堂はとても厳かで、お唱えも法話もとても心地がよい。護摩の炎も幻想的で、心を落ち着かせて、立ち上る炎を眺めながら瞑想。なんとも言えない、清々しい時間を過ごしました。「早起きは三文の徳」とはよく言ったものです。この時間は、ぜひお勧めしたい体験です。気持ちがスッとしますよ。

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上:護摩堂の天井には見事な龍!

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上:私も祈願して頂きました。

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上:お炊上げの後には七福神の福小判を頂けます。私は弁財天を頂戴しました。

次は、同じ日光山輪王寺内にある1653年に創建された大猷院へ。あの徳川家光のお墓があるところです。

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祖父である家康公を大変慕っていた家光は早い時期から自分自身も日光の地に眠ることを決めていたそうです。家康公に敬意を表して、大猷院は全体的に黒と金のコンビネーションで、その配色は東照宮よりも控えめにしたと言われていますが、それでもとっても絢爛です(笑)。
きらびやかな中にも創建当時のままの渋い白檀の階段があったり、院内の隅々までをゆっくり回るとかなり感慨深いものがあります。襖絵、壁画も狩野派の名画がズラリ!

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もうひとつ目を引くのは、色とりどりの仏像です。
白いケン陀羅※(けんだら)、赤い毘陀羅(びだら)、青の烏摩勒伽(うまろきゃ)、緑の阿跋摩羅(あばつまら)。それぞれ特徴的な仏像ですが、青の烏摩靭伽は、膝に象がついています。膝を“膝小僧”と呼ぶ語源にもなった仏様だとか(笑)。
このようなカラフルな仏像はなかなか珍しいそうですから、必見です。
※「ケン」は牛偏に建
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上:門の柱には夢を喰うという架空の動物「貘」もいました。

さて、二社一寺巡りは続きます。次は、二荒山神社。

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ここはあらゆる良縁を繋ぐと言われている日光最古の神社です。
まずは町のシンボル的な存在にもなっている神橋へ向かいます。
真っ赤な太鼓橋で、とてもかわいらしい。けれど、近づいて、いざ渡ると歴史とパワーを感じます。

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ここではちょっと面白い願掛けができちゃう!
入り口の発券所で、紙飛行機用の紙を購入して、そこに願い事を書きます。そして祈りを込めてそれを折り、橋から男体山(御神体)に向かって飛ばします。上手く飛んで川に入れば、その願いは叶うと言い伝えられているんですって。
なんともロマンティック。

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上:みんなで挑戦!雄大な男体山に向かって、紙飛行機を投じるのはとても気持ちがいい〜。結果は見事に飛び、川に入りました。願いは叶うかな(笑)。

ちなみに、日光の“顔”でもある男体山の別名が「二荒山」。これを音読みすると「ニコウ」。これが「日光」の語源となったとも言われています。

さぁ、次は本殿へ。日光二荒山神社は、大猷院と東照宮の間に位置し、縁結びの神様として大変有名です。

一般的に、神社の中にはあらゆるところにハート模様が隠れていたりします。これを「猪の目」と言いますが、イノシシの瞳はハート形!って、なんだかちょっとカワイイですよね。実は、亥年の私は様々な神社でこの“猪の目”探しを密かに楽しむ習性があります(笑)。

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上:ここでも発見!夫婦杉の後ろに、見えるでしょ?ハート型の猪の目!

二荒山神社の夫婦杉もたいへん立派です。恋愛成就や良縁のご利益があるという説も一層、真実味を増しますね。良縁を求めている方はぜひ訪れてみてください。

さぁ、いよいよ次は日光東照宮へお参りです。昨年から今年にかけては、家康公が鎮座して400周年という節目の年。沢山のイベントが催されて、いつにも増して賑わいを見せています。

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石の鳥居をくぐって間もなく、あの有名な「見ざる、言わざる、聞かざる」の三猿が描かれている神厩舎が見えます。ご存知の方も多いと思いますが、これは猿を描いた8枚の彫刻が人の一生を表しているんですね。

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この世に生まれてきた子猿と子育てしている親猿。やがて子猿は成長して色々なことを知る・・・「見ざる、言わざる、聞かざる」は、この成長過程を表現しています。成長するにつれ、将来のこと等、様々な理由で悩みます。いわゆる思春期を迎えた後に、それを超えて希望を持って羽ばたく。そして挫折を知り、友情の大切さを学びます。いろんなことを体験した猿は、成長し、しっかり自分の足で立てるようになります。そして、出会い。恋をして良き伴侶を得て・・・。2人で力を合わせれば、どんなことも越えて行けると感じるわけです。そして新しい命を宿し、初めて親の有難みを知る・・・。

と、まぁ、ざっくりとこんな感じです。

先を急ぎましょう(笑)。
さらに進むと、五重塔。そして、三体の御神輿が祀られている神輿舎が見えます。神輿舎には、中央に徳川家康、左に源頼朝、右に豊臣秀吉がお祀りされているそうです。天井も素晴らしいんです。

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さらに行くと、とても珍しいオランダから贈られた回転燈籠。

そして、その先に待つのは、唐門。細かな彫刻が特徴的です。さらに進むとあの有名な陽明門。現在は残念ながら修復中なので、全体がほぼ覆われている状態。日光東照宮は世界遺産登録がされている上、数多くの建物から成り立っています。つまり、必ずどこかは修復中・・・となってしまうんだそうです。全貌が見たかったら、何度も訪れるしかありませんね(笑)。

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陽明門をくぐって奥に進むと、眠り猫の待つ門へ辿り着きます。ここは奥宮に続く門。その先の長い階段を上がると家康公が眠るお墓がある。そして、その脇には叶杉が。ここは以前は一般公開はされていなかったようですが、ここ数年は入れるようになっています。私は、東照宮のここの場所にいつも強いパワーを感じる。だから、階段はなかなかキツいけれど毎回訪れます。階段を登った時に受ける心地よい風は最高。東照宮では必ず訪れていただきたい場所と言えます。

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この日も階段を登りきったら、青空が迎えてくれました。
途中の休憩所にはすべてが“お〜いお茶”の自動販売機があるんですよ(笑)。

今回の東照宮訪問では、特別に「将軍着座の間」に入れて頂きました。
ここは撮影禁止のため、画像をお見せできないことが残念ですが、昔から歴代の徳川将軍が東照宮参拝の際に使っていた控え室。将軍様がお座りになる、その場所の頭上には葵の御紋が描かれ、襖や屏風には美しく繊細かつ豪華な日本画が描かれて、そこかしこに金箔もたっぷりと使われています。
驚くのは、美しく装飾を施していながらも、外壁はすべて今でいうところの“防弾仕様”。徹底的に将軍様をお守りしていたのがすごいです!

私が何気なく着座したその場所は、まさに将軍が座られた場所。
頭上を見上げてみると、ちゃんと葵の御紋がありました。その場所に座り、静かに目を閉じると、なんだか徳川の時代へタイムスリップしたかのような感覚になり、私の頭の中の空想は止まりませんでした・・・(笑)。

皆様もぜひお試しあれ。

さてさて、二社一寺を駆け巡り、今度は古き良き日本を代表する名宿で歴史と触れ合いました。そして、美味しい舌鼓も忘れてはいけません(笑)。

賢人、VIPが愛した名宿 日光金谷ホテル

日光金谷ホテルの名物PR部長 小杉和雄さんの案内で、館内を歩きながら歴史と触れ合うプチ館内旅行。日光金谷ホテルは、明治6年(1873年)に金谷善一郎氏により創設されました。ホテル創業前は、金谷氏は東照宮の楽師として雅楽等を演奏していたそう。そんな金谷氏に、当時、宣教師/医者として来日していたヘボン博士(あの、ヘボン式ローマ字のヘボン氏!)が外国人向けの宿を開業してはどうか、と勧めたのがホテル開業のきっかけだったんですって。このお話がわかる展示コーナーが館内にあり、記載された小冊子も頂けますから、訪れた際にはぜひご覧になるとよいかと思います。
こうして、前職を含めて東照宮に縁の深い金谷氏でしたから、日光金谷ホテルの内装には東照宮とリンクするものが幾つもあります。例えば、貘、彫刻・・・等など。現在も残っていますので、訪れたらそういったところを見つけて回るのも楽しいかもしれません。

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見所はまだまだあります。やはり老舗ホテルとして長い年月変わらず日光の地に君臨している名ホテルですから、宿泊客や調度品も超一級!
昔のすばらしいバカラのグラス、歴史を感じるランプや電燈、電話・・・様々な美術品がそこかしこに。

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玄関の回転扉も1階のバーだって、古き良き気品と重厚感に溢れています。
カッコイイ〜。

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今でも多くの人が訪れるメインダイニング。ここにも歴史的な装飾や調度品が多数あります。そんな素敵な空間で、今回は冬のスペシャルメニューを頂きました。

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コクが深い野菜のクリームポタージュスープ、サラダ、メインは「那須鶏もも肉のソテー」または名物の「日光虹鱒のソテー金谷風」から選べます。これに美味しいパンとデザート、コーヒーと。お昼から贅沢に、優雅に、折角ですから時間には余裕を持って、器やカトラリーも楽しみながら頂きたいですね。

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歴史ある調度品が目白押しの日光金谷ホテル。大広間や展示室もぜひご覧くださいね。館内、あらゆるところに見ておきたいものがいっぱいです。

日光金谷ホテル
日光市上鉢石町1300
Tel:0288-54-0001(代)

こうしてあっという間に、楽しい時間が過ぎていきます。
日光時間旅行、お楽しみ頂けましたか?

続きは後編でぜひ。

渡邊 雅美(わたなべ・まさみ)
Masami Watanabe
大学在学中より光文社JJ編集部でファッションや美容の企画/編集に携わる。その後、幼少期を過ごしたロサンゼルスに渡り、G.I.A.(米国宝石学会)で宝飾の鑑定とデザインを学んだ後、ジュエリー、アート、ファッションの仕事に従事し、パリ、ロンドン、ブリュッセルと長いヨーロッパ生活を経て、2010年にアラフォーに特化したイベント/企画集団“Mirroir(ミロワ)”を創業。様々な土地で暮らした経験と視点を生かして、商品開発やイベントのプロデュースを手掛け、2014年にはウェブマガジン『コレカラージュ』も創刊。
http://mirroir.jp