みなさん、こんにちは。スウィーツ弁護士こと、藤田剛敬(ふじたたけひろ)です。スウィーツの六法全書編纂をコンセプトに、スウィーツの甘美な風をお届けします。
法律第4号のテーマは茶色です。
このタイプの色は数が多いので、後日追補版を発行予定です。
まずは、ジャン・ポール・エヴァンです。
甘さというよりも、渋み、フルーツ感、酸味を中心としたチョコレートとしての風味を感じさせます。味が強いというわけではないにもかかわらず、後味がしっかりと残ります。質の安定感ゆえに、あまり多くを語る必要はないでしょう。
次は、フランク・フレッソン。
チョコレートとガナッシュ又はプラリネとの融合が上手い。例えば、アプリコットの味の強いガナッシュを使いながらも、チョコレートとしての余韻を邪魔しない。プラリネに関して、かなり甘めだけれどもそれに終始せず、ナッツの風味が一気に鼻に抜けて、素材の多様性を引き出している気がする。とてもフルーティーなガナッシュとチョコレートとの合わせ方が最高。2011年サロン・ド・ショコラでNo.1という印象を持った一品。
いわずと知れた、ベルナシオンのパレドオールです。
間違いなく美味しい。フルーティーなカカオをベースに、ガナッシュが甘みを演出している建付け。口に入れる前のカカオの香りで一気にチョコレートの世界に引き込まれます。そして、チョコレートの適度な口溶けにより、口の中でカカオのフルーティーさが爆発的に広がります。一方ガナッシュは、その甘みでカカオのフルーティーさの輪郭を際立たせます。その後、鼻の奥で華やかながらも落ち着いた余韻が続きます。
ジャック・ジュナンのチョコレート。ジュレも最高ですが、それは別途。
まずは見た目にも美しい。まるできれいなカフリンクスが並んでいるかのよう。
そして食べて、「あー」という言葉しか出てこず、何が美味しいとかを上手く表現できない。食べることでしか伝わらない味と表現すべき?チョコレートでありながら、一つの料理と言ってよいのではないか。
ミント系チョコレートに関し、最初ミントが広がり、その後キャラメルミルクが広がる。それに浸っていると、余韻にミントが残っていることにふと気付く。それぞれの味がきちんと主張しているのに喧嘩しない。時間差で味を感じさせ時間軸で見ても立体的に計算された、まさに芸術。
マゼのプラズリン。
ナッツの周りをカラメリゼという、至って簡単なものなのに惹かれるのはなぜだろう。
カラメルの香ばしさ、苦味、甘さがほどよい、昔ながらのお菓子です。
マンダリン・オリエンタル東京で売っているチョコレート。
どうやら比較的スパイシーなチョコレートのようです。(写真にはないものの)トリュフは、カカオ率が高いものを使用しているようでビターな感じです。甘いだけというよりもスパイシーな味が余韻として残ります。
ナッツの風味がするもの、甘さが余韻として残るものとは異なり、スパイシーさがゆらりと立ち上がるイメージ。
ドゥバイヨルのアバランシェ。
球体のチョコレートにホットチョコレートをかけます。すると球体のチョコレートが溶け始め、中からバニラアイスが出てくるという構成。球体のチョコレートは比較的濃厚。一方で、ホットチョコレートはとてもスムーズな甘さを担当。チョコレートとチョコレートという組み合わせながら決してくどいわけではなく、バニラアイスとの融合もあり幸せな余韻が残る。
本号の最後は、メゾン・デュ・ショコラ。
安定の質。カカオの特徴を際立たせているわけではないが、不思議とチョコレートとしての酸味やビター感を感じられる。食べて安心感を感じるが、ガツンと来る感動とまでは表現できない?このレベル感のチョコレートにここまで言うのは少し贅沢?
今回は、チョコレートを主軸に置いてみました。チョコレートと言っても、風味のどの部分を押し出すか、どのように加工するかによって全く雰囲気が異なるので、本当はもっと細かく解釈していく必要がありますね。
それでは、スウィーツを食べに行きましょう!