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温泉くん

恐山温泉

みなさま、こんにちは。大変ご無沙汰しております。温泉王子、通称「温泉くん」こと小松 歩(こまつ あゆむ)です。

2021年6月。ついに「コレカラージュ」がリニューアル!おめでとうございます!ということで温泉くんコラムも復活です。
この数年間、年200湯ペースで温泉に入り続け、通算入湯数は2,000ヶ所を超えました。今後もみなさまにおすすめの温泉をコラムにしてご紹介いたします。今回は青森県の下北半島に湧く「恐山温泉」です。

比叡山(滋賀県)、高野山(和歌山県)と並び、「日本三大霊場」の1つとされる青森県の「恐山」。あの世とこの世の境目である「三途川(さんずのかわ)」が流れ、死者を呼び寄せる「イタコの口寄せ」で有名な最恐のパワースポットです。
そんな三大霊場の中でも屈指の“いかつさ”を誇る「恐山」ですが、霊場内には「温泉」が湧いていることをご存じでしょうか。霊場らしく“ひなびた”木造の湯小屋は風情があふれ、そこに注がれるのは効能豊かな乳白色の硫黄泉です。まさに地獄に湧く極楽といえる温泉です。


「恐山」は、本州最北の地・下北半島の山中に位置し、開山は毎年5月1日〜10月31日の夏期のみ。冬期は大変雪深く、周辺道路を含め完全閉鎖という、「霊場」という名にふさわしい極限の地です。さらに周辺には高速道路や主要な鉄道はなく、青森市街から、車で片道3時間という距離はアクセスの悪さも、「霊場」らしさを高めてくれます。


やっとのことでたどり着く「恐山」。そこには地獄の入り口のような「恐山菩提寺」の門が君臨しています。写真では分かりにくいですが、門の左右には「鬼の像」が仁王立ちし、まるで地獄の番人のようにこちらを見張っています。


とはいえ、中に入るハードルは地獄にしては低く、入山料の500円を支払えば難なく門をくぐれます。訪れた日は今にも泣き出しそうな曇り空。そこに静かにたたずむ地蔵、そして水子供養の鮮やかな風車のコントラストが作り出す「地獄」のような風景です。ほのかにただようのは救いの「硫黄の香り」。そうだ「恐山」には「温泉」があるんだ!


地獄の中の極楽ともいえる「温泉」は、「恐山菩提寺」の境内に4カ所点在しています。


そのすべてが風情ある木造の湯小屋です。その中は簡易的な脱衣場と湯船のみのシンプルなつくりと、昔ながらの湯治場を思わせるひなびた雰囲気です。ちなみに温泉は4カ所とも無料。つまり入山料を支払えば、全て入り放題なのです(男性用、女性用、混浴、男女交代制となっているため、その日に入れるのは最大3カ所)。

◆4カ所の湯小屋
①冷抜の湯(男性用)②古滝の湯(女性用)③薬師の湯(男女交代制)④花染の湯(混浴)


風情ある乳白のお湯は、恐山にただよう香りの通りの「硫黄泉」です。源泉が近いためお湯はとても新鮮で、「かけ流し」の状態で楽しむことができます。生き生きとした硫黄の香りに包まれ、コンコンと注がれる音色を聴きながらの湯浴みはまさに「極楽」。混じりっけのない「乳白色」と年季と温泉が染み込んだ「木の色」のコントラストが美しく、目からも「癒し」を感じる至福のひとときです。
酸性のお湯は、なめると梅干しのように渋く酸っぱく、つかるとピリッと刺激的で、「霊場」のお湯らしく、「身を清める」には最適です。昔は恐山の参拝者全員に「禊(みそぎ)の入浴」が義務付けられていたそうです。そんな歴史を感じながら入る、とても“有り難い”お湯でした。


地獄の風景の中で体験する新鮮な硫黄の香りに包まれた湯浴みは、まさに極楽。アクセスの悪さも相まって、やっとのことでたどり着く「恐山」はこの世とあの世の境目にある異世界の「非日常」空間です。境内には宿泊できる「宿坊」もあり、宿泊者限定の内湯、露天風呂も完備されてます。そんな最恐の霊場「恐山」でしか味わえない、最恐の「極楽」に足を運んでみてはいかがでしょうか。

【恐山に行ったら大間のマグロを食べよう】


恐山から下北半島をさらに北上すること1時間半。海沿いの道に出てしばらく走ると、そこは本州最北端の街、あの「大間のマグロ」で有名な大間です。


赤身から大トロまで「大間のマグロ」を刺身、すし、あら汁で堪能しました。特に舌に乗せた瞬間とろけるトロは絶品中の絶品。価格は決して安くないですが、都内では数万円はくだらない「名物」を新鮮なまま数千円で堪能できるのは「旅の醍醐味(だいごみ)」でしょう。

小松 歩
Ayumu Komatsu
1987年東京生まれ。温泉ソムリエ(マスター★)、温泉入浴指導員、温泉観光実践士。大学の4年間を北海道で過ごし、その間に生死を彷徨う交通事故の後遺症治療で湯治を体験し、温泉に目覚める(知床でドライブ中、ヒグマに衝突し頚椎骨折)。今では全国で2,000湯以上の温泉に入り、入浴剤メーカーに勤務しながら「温泉くん/温泉王子」として執筆活動をしています!